駆け出しヒーロー??

7/13

2人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
入学当初は、一時間近くもかかり、ヘロヘロになっていた10km走も今は、40分をきる。さすが成長期だ。しかし、特待生とはいえ長距離が遅い奴もいる。オレらの代で一番遅いのは江本だ。江本は身長175㎝で、体重は112㎏。かなり太っている。金さん(監督)や先輩方からはドカベンとかタマちゃんとか呼ばれ、現時点では唯一名前??を覚えられている一年だ。朝練では10km走が終わると各自、自主練に入れる。ここでは、みんなキャッチボールをしたり、ティーバッティングをしたりと普段使えないボールを使うのが普通だ。しかし、一人だけいつも変わった練習をしている奴がいる。ドカベン江本だ。江本は、一番最後に10km走を終えてフラフラのまま、いつもバットを持つ。そして目を閉じてバットを構えたまま5分くらい動かない。その後、目を開けゆっくりバットを振る。これを繰り返す。オレと菅はティーバッティングをしていたが、江本の練習が気になり声をかけた。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加