駆け出しヒーロー??

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オレたちが朝練を終え、道具の片付けやグランド整備をしている頃、一般の生徒が登校してくる。まだ入学して一ヶ月だが、一般生が心底うらやましいと思う瞬間だ。うちの高校では毎朝、晴れていれば必ず全校朝礼がある。何をするかというとラジオ体操だ。どんなに寒くても学ランを脱いで、カッターシャツ姿で体操をする。体操に遅刻してきた者は問答無用で、自分のクラスの前で正座だ。うちの高校は、一応、工業高校ながら共学で、工業系と普段科からなる。男子生徒と女子生徒の割合は9:1で、その1割の女子生徒はほとんど普通科に在籍している。工業系には機械科、自動車科、土木科、情報技術科があり、野球部の特待生は土木科に入るのが伝統だ。もちろん、野郎しかいない。席替えも全然盛り上らない。うちの高校の1割しかいない女子生徒は、他の高校と比べて、決してレベルが高いわけではない。しかし、そんな女子生徒も段々可愛く見えてくる。野郎ばかりの閉鎖的な高校にいることで、女の子に対する免疫力が低下し、女の子を見る目が著しく失われる。これをオレたちは『工業病』と呼んでいた。
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