Request3 閏の不幸運び

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―――ピピピピピピピ… AM 6:30 小ざっぱりとした部屋に、小さな機械音が響く。 「……ん……」 舛はベッドの中から腕を出し、枕元にある目覚まし時計を取ると、ベッドの中に引きずり込んだ。 (……六時半……起きるか……) 時間を確認すると、モゾモゾと動き出す。 (結局、三時間しか寝れなかったし……) 欠伸をしながらベッドから足を出し、しばらくポーッと宙を仰ぐ。 舛は低血圧なのだ。 ポーッとしていると、ふと、机の上にある写真縦に眼が止まった。 舛はゆっくりと立ち上がり、机の方に歩く。 右手に取った写真縦の中には、茶髪の少年と、黒髪の少年が肩を組んで写っていた。 黒髪の少年は、舛の二年前の姿だ。 まだ、左目は金色に輝いている。
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