Request3 閏の不幸運び

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あれから朝食を食べ、身支度をし、玄関に向かう。 「……だからさぁ、ずーっと起きてんのは反則だって!」 自分のすぐ後ろを歩く閏に、舛は、振り返りもせずに声を掛ける。 「まだ根に持ってんのかよ……つーか、さっさと行け。遅刻する」 「うっせ!」 ―――ガチャリ 舛が靴をはき、玄関のドアを開けた。が…… 「オハヨウ、後藤クン。今日もイイ天」 ―――バタンッ すぐに閉めてしまった。 「……何かいたよな、今」 閏が、引きつったような声を出す。 「きっ気のせいじゃないカナ?」 そう答える舛の声も、だいぶ引きつっていた。
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