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「……きて……舛、起きて」
「……ぅ……ぁああ!!?」
目が覚めたら、樹満のドアップ。
「…………ぁ?」
「何ですか。人の顔見るなり、叫び声を上げるなんて!!」
腰に手を当て、怒った様に頬を膨らませる樹満。
その姿に、舛は苦笑した。
「いや、悪い。昔の夢を見たんだ」
舛の言葉に、閏が愛用の大鎌をいじる手を止め顔を上げた。
「へえ。唯弛の?」
『いち?』
樹満と磐が首を傾げる。
「舛のパートナーだった子よ」
今まで一言も話さずにいた羽玖が口を開いた。
『……だった?』
樹満と磐が、先程とは逆に首を傾げる。
二人の質問に、羽玖は言いにくそうに口を開いた。
だが、話す前に舛の声によって遮られてしまった。
「ん~~~!!」
舛は立ち上がり、大きく伸びをした。
そして、一言。
「さて、始めっか」
「あーっ! 話そらしたあ!」
磐が舛を指差し叫ぶ。
だが、舛は全く気にしていないようだ。
近くの窓に歩み寄って、寄りかかるように立っている。
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