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ここは、とある金持ち屋敷の裏庭。
だから、舛が先程まで寝ていたのは土の上。
閏が寄りかかって座っていたのは大木の幹。
羽玖が座っていたのは切り株の上。
磐が岩の上に胡座をかいて座っており、樹満は舛が寝ていた所に立っている。
「そろそろ午前零時よ」
携帯電話の画面を見ながら羽玖が言うと、それぞれ、その場で何処からか武器を取り出した。
「……5……4……」
羽玖が呟く。
舛はくるりと向きを変え、窓ガラスの正面に立った。
「……3……2……」
右手を握り、腕を引く。
そして、力一杯振り下ろした。
―――ガッシャーンッッ!!!
舛がガラスを殴り割った。
その瞬間、それが合図かのように、他の四人の物凄い速さで屋敷の方に向かっている。
閏は右側から、羽玖は左側から屋敷の中に侵入する。
磐は舛が割った窓の近くの壁を大剣で破壊し、樹満は窓枠をつたい、ヒョイヒョイと上に登っていく。
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