待遇

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はじめは、それを聞き、涙がこぼれる 『でも、あいつは・・・えぐっ、俺の相棒だった・・・、なのに、気づいてあげられなかった・・・』 はじめの声が震える 『それは、僕達も一緒ですよ・・・ 誰も気づかなかった・・・』 健志は、悲しい顔で答える 沈黙が続く・・・ 林檎が最初に口を開く 『よし、飲もう!』 と明るい声で言う 『えっ』 健志とはじめの声がハモる 『一体、何処でですか・・・?』 と健志が聞く 『ん?俺の家だが・・・』 と林檎は、普通に答える はじめは、ため息をつき、 『先生・・・もっと女という自覚を持って・・・』 と続けるが、 『他の先生方もどうですか?』 聞いてないようだ・・・ ・・・って、他の先生方って・・・ はじめは、後ろを振り向くと、先生達が魔法を解き、男の姿から、各々の姿に戻っていた 『・・・そういう事ね・・・』 はじめは、苦笑いを浮かべる。 ・・・てことは、これは、何処かの空き家か・・・ 役人が、場所を提供するとは、思えないしな・・・ すーと本来の空き家に戻りつつある 『ほら、はじめ! 行くぞ!』 と林檎は、手を引っ張る 『行くって、何処へ・・・?』 『俺の家だ!』
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