一年前の事件

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『何もないか・・・?』 はじめ達は、周りを気にしながら、歩いていた 『まあ、何もないほうがいいんだけどね・・・』 良樹は、きごちない笑顔で返してくる 『それも、そうだな・・・』 しかし、何なんだろうこの悪寒・・・ 風邪でも引いたのかな? 『どうしたの、はじめ?』 涼は、はじめの考え込む姿に頭を傾け、聞いてくる 『いや・・・ちょっと、風邪引いたっぼい・・・』 『じゃあ・・・そろそろ帰ろうか?』 涼は、笑顔で答える 『私・・・ちょっとトイレに行きたくなっちゃった・・・』 美鈴は、もじもじさせながら言う 『一緒に行こうか?』 はじめは、真剣な顔で言う 『ううん、大丈夫!』 美鈴は、笑顔で返す 『ちょっと、待っててね!』 美鈴は、小走りでトイレしに行ってしまった 『俺も、ちょっと行く所があるから・・・』 涼は、はじめに離れ走って行ってしまった 『おい、涼!』 呼びかけるが、振り向かずに行ってしまう 『美鈴、遅いな・・・』 もう、あれこれ一時間は、立っている 空からは、小粒の雨が降りだし、視界も少し悪い 『はじめー!お前の連れ、まだか?』 良樹が聞いてくる すると、前から黒い影が見えてくる
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