13人が本棚に入れています
本棚に追加
/82ページ
突然の声にビクとなり、後ろを振り向くと
真由が、こちらを見ていた。
『なんだ、真由か・・・驚くなぁ・・・』
とため息交じりで話す。
『ねぇ、まだお父さんが帰ってないよ・・・』
と真由は、鍵とチェーンロックを外しに隼人に近づく。
『ダメだ、開けちゃ!
妖怪犬又が襲って来るんだよ・・・』と真由の手を掴む。
真由は、目が点になる。
『なに、それ・・・』
『いや、だから妖怪だよ、妖怪!』
と手を動かしながら、説明する。
『はあ・・・』
と曖昧な返事を返し、鍵とチェーンロックを外す。
『真由~!ちょっと手伝って~!』
キッチンの方から、声が聞こえる。
『今、行く~!』
と真由は、返答を返す。
『お兄ちゃん!また、後で話し聞くね!
あっ、鞄は机の上に置いたから・・・』
と とっとっと と軽やかに走って行った。
『・・・』
『まあ、普通信じないわな』
ため息交じりに呟く。
肩を落としながら、階段を上り、自分の部屋まで行く。
勉強する気がしないので、携帯をいじりながら、ベッドに横になる。
下でドアが開く音が聞こえる。
お父さんが帰って来たんだな
と携帯をいじりながら、寝返りをうつ
しばらくすると、真由の声が聞こえる。
『お兄ちゃん、ご飯出来たよ~』
『はーい』
階段を駆け降りる。
最初のコメントを投稿しよう!