出会い

8/15

13人が本棚に入れています
本棚に追加
/82ページ
突然の声にビクとなり、後ろを振り向くと 真由が、こちらを見ていた。 『なんだ、真由か・・・驚くなぁ・・・』 とため息交じりで話す。 『ねぇ、まだお父さんが帰ってないよ・・・』 と真由は、鍵とチェーンロックを外しに隼人に近づく。 『ダメだ、開けちゃ! 妖怪犬又が襲って来るんだよ・・・』と真由の手を掴む。 真由は、目が点になる。 『なに、それ・・・』 『いや、だから妖怪だよ、妖怪!』 と手を動かしながら、説明する。 『はあ・・・』 と曖昧な返事を返し、鍵とチェーンロックを外す。 『真由~!ちょっと手伝って~!』 キッチンの方から、声が聞こえる。 『今、行く~!』 と真由は、返答を返す。 『お兄ちゃん!また、後で話し聞くね! あっ、鞄は机の上に置いたから・・・』 と とっとっと と軽やかに走って行った。 『・・・』 『まあ、普通信じないわな』 ため息交じりに呟く。 肩を落としながら、階段を上り、自分の部屋まで行く。 勉強する気がしないので、携帯をいじりながら、ベッドに横になる。 下でドアが開く音が聞こえる。 お父さんが帰って来たんだな と携帯をいじりながら、寝返りをうつ しばらくすると、真由の声が聞こえる。 『お兄ちゃん、ご飯出来たよ~』 『はーい』 階段を駆け降りる。
/82ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加