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【出産】
子供に罪はない…。
自分を言い聞かせ、新しく産まれてくる命を守り続けた。
あの時の言葉は忘れられないものになったけど、私は母親になった。
「この子を守らなくちゃ…」
主人もあれ以来、酷い事は言わなくなった。勿論悪いという気持ちがあったらしい。
「俺、父親になるんだな…」と、前以上に仕事を頑張ってくれていた。
私もなるべく「あの一言」を思い出さないように、10ヶ月の妊婦期間を楽しんだ。
そして、出産…
肌が白く、綺麗な女の子が産まれた。
「あの時殺さなくてよかった…」
その2年後…
元気な男の子が産まれた。
主人のヤキモチ妬きや疑い深さは直らないものの、自分の欲求を抑える事で、主人は笑ってくれていた。
そう…
この頃私は、主人の顔色をうかがって生きていた。
それが家庭円満のために一番イイやり方だと信じていた。
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