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「よしっ、じゃあ翔太を家まで送ってやるか!」
そう言うと翔太は嬉しそうな顔をしたが、すぐに気まずそうな顔をした。
「どうかしたか?」
「だって…しらないひとにはついていったらだめっておねえちゃんにいわれてるから……」
「ふーん。じゃあ知らない人じゃなければいいんだろ?
お兄ちゃんの名前は羽田 優っていうんだ。
これで知らない人じゃないから大丈夫だろ?」
俺がそう言うと翔太はまた明るい表情に戻った。
とりあえず本当に危ない人に誘われた時にこんな風に着いていったらと考えると将来が不安だ…
にしても翔太の姉ちゃんはいい姉ちゃんだと思う。
弟にしっかりとしたしつけをしてるからな。
―――
――
―
現在俺はとても不安で仕方がない。
翔太とあの場所から動き始めた最初の5分は大丈夫だったのだが…
「ここをね!……えっと~……」
「まさか迷った?」
「ちっ…ちがうよ!こっち!うんっ!こっち!!」
自分を納得させようとしてる奴くらいしか自分自身にうんっ!なんて言わないだろ…
「はぁ…」
とりあえず翔太の後ろをチャリを引きながら歩いて行く。
しかしそこの先にあったのは……
「行き止まりじゃねーか」
「あれっ?えっ?おかしいよ…」
翔太は凄い焦り出していた。
もう泣きだしそうなくらいに。
「おかしいよ………。ウッ…ウッ……」
とうとう翔太の目からは涙が零れ落ちた。
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