第一章

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そんな事を考えていると自分の携帯が鳴った。 開いて見るとその唯一の校内の友達から、下駄箱で待ってると絵文字付きのメールが来た。 俺は、了解と返事を打つと自分のペースで下駄箱に向かった。 階段は昇るのも降りるのも本当に疲れるな……。 いっそエスカレーターにしてくれないか? そんな事を考えながら歩く。 下駄箱にはあっという間に着いた。 下駄箱に行くと、一人の格闘技でもやってるのか?といいたくなるような体格の良い男が近寄ってきた。 「優、おせーぞ」 「どうでもえぇ、てかお前誰ー?」 「ひどくね!?」 この見た目とのギャップが素晴らしい男は、風見 俊樹。 こいつは俺と全く違うがある意味似ている奴だ。 俊樹の場合は夢があっても叶える事が出来ないのだ。 こいつの親父は自営で土木関係の仕事を営んでいる。 そのため長男の俊樹は嫌でも親父の仕事を継がなくてはならない。 夢のない俺と夢があっても叶えられないこいつ……。 だから何処か同じ雰囲気を感じてるからこそ俺はこいつと友達でいられるのだろう。 「まぁなんでもいいけど俺、今日は仕事ないからカラオケでも行かないか?」 俊樹が目を輝かせながら聞いてくる。 やめろ、キモいから。 まぁ、でも今日は俺もオフだしな。 「今日は俺もバイトないからいいぞ」 「よっしゃ、そうと決まったら行くぞ!」 俊樹はテンション上がり目に速歩きで自転車が止めてある学校の駐輪場に向かった。 ただそれでも俺より遅い。 多分俊樹が遅いんじゃなくて俺が速いだけなんだろうけどな…。
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