第一章

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駐輪場に着くと、俊樹は自転車の鍵を開けて道に出す。 俺は歩き、もしくはバス通学のため自転車はなく、俊樹が自転車を出すのを待っていた。 俊樹は自転車を出すと、跨がって大声を出した。 「よしっ!乗れぇーい!!」 「もう乗ってる」 「マジっすか!?」 俊樹が自転車を出した瞬間に速攻で俺は自転車後ろに跨がっていた。 何事も疾風迅雷の如く速く動かないとチャンスを失うぞ…。 何のチャンスかはわからないけど。 「忍びねーな…」 「構わんよ」 俺と俊樹は某お笑い芸人のネタをすると、自転車を出発させた。 2ケツ棒に立つと風が凄い勢いで当たり、気持ちが良い。 「あぁー…」 「優、何言ってんだ?」 「あ゙っ?気にすんな」 今日も疲れたから溜め息が出ただけだよ。 いちいち気にするんじゃねー。 それからも俺達はいつも通りのくだらないけど楽しい会話をしながらカラオケボックスに向かった。 途中で上を見上げたら、雲一つない空が見えて何だか清々しい気分になった。 しかし、その気分もカラオケの近くにある公園まで来て、一気に崩落した。 まぁ簡単に言えば問題が発生した。 俊樹の自転車がパンクしたのだ。
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