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信じられないほど心が痛い。
彼女に会ってから今日まで、一年一年、一日一日、その痛みは蓄積されていき、今は極限だと思う。それはもう彼女との未来など有り得ないのだと実感してしまったからだ。
二ヶ月前のあの日に。
5年前、母が再婚した。嫁いで間もない冬のはじめ、嫁ぎ先のお姑さんが亡くなった。その葬式の最中、彼女と初めて出会った。
彼女は母の再婚相手の姪っ子。歳は俺よりも2つ上。しかし小さな風貌のせいか幼く見え、またバタバタした葬式の最中でもあったため、俺は紹介を受けていたにも関わらず彼女の年齢など頭になく、高校生だと思い込んでいた。だから別段、彼女に意識を払っていたわけでもなく、ましてや当時の俺には結婚を約束していた彼女もいたため、そのファースト・コンタクトはなんてことなく終わった。
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