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俺は母の連れ子ではない。今現在も離婚した父(今も健在)の戸籍に属している。だから厳密に言えば彼女とは血のつながりどころか戸籍上も従姉弟関係にあるわけではない。「君さえよければ私や私の子供たち、そして私の親戚たちのことを家族だと思ってほしい。でも重く考えないでね。気を遣わなければならない人間などいないし、みんな君のことをすでに家族だと思っているから」母が嫁ぐ時、再婚相手の男性が俺に言ってくれた言葉だ。俺は彼の一言がすごく嬉しかった。俺が育った家庭環境は親戚付き合いなど希薄だった。父も母も親類縁者と付き合うことを避けて生きている人間だったから。だから彼の子供たち(一男一女)や親戚の人たち(彼は6人兄妹だったから一族の数はものすごく多い)がいっぺんに自分の家族になったことが嬉しくてしようがなかった。そして事実、彼言ったとおりみんなあったかい人たちだった。
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