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「はぁ……わかりました。 お~い、担架を持ってきてくれ」
長老の考えに納得していないが、一度言い出すと聞かないことは皆承知しているので行動を開始する。
源狼は観那と桐弧のところへ戻っていく。
「お父さん……助けても大丈夫なの?」
「まぁ、あれだけ衰弱しているし……いくら意識が戻っても当分の間は動けないだろうし」
「あなた? 長老の家に運ばせるのはいいですけど……誰が手当をするんですか?」
「………長老の家に誰か居なかったか?」
「長老と奥さんだけですよ?」
「しまったぁ~………」
しっかりしているのか、間抜けなのかわからないが観那に指摘されるまで忘れていたらしい。
両手で頭を抱え込み、しゃがんで唸り始めた。
「なぁに……看病ぐらいは儂らでするさ」
「しかし、全部長老にやらせるのも……」
「ふむ……なら、桐弧や」
「は、はい!?」
「お前が傷の手当てをしてやってくれないか?」
「へ?」
「そうだな……あやつの飯は胡珀が作ってやってくれ」
「わ、私ですか!?」
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