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「お邪魔します」
「お邪魔します~」
村長の家に着いた二人は玄関で挨拶をして、人が出てくるのを待っている。
「あらあら…二人ともいらっしゃい」
「佐恵(さえ)さんお久しぶりです。」
「今日はごめんね? うちの亭主が迷惑掛けて」
二人を出迎えたのは長老・羅孔の妻である佐恵であった。
元々、長老の家にはお手伝いさんがおらず、羅孔と佐恵だけで暮らしている。
孫は居ないが、村の子供達全員が二人にとって孫のようなものであった。
今は羅孔の思いつきで、二人が人間の看病をする羽目になった事への謝罪をするため、二人の前でしゃがみ、両手の指先を床に着け深々と頭を下げている。
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