6人が本棚に入れています
本棚に追加
佐恵は立ち上がり、二人を手招きで近くまで呼び、長い廊下を歩く。
長老の家の廊下は玄関からみるとまっすぐ進んだ後、左右に分かれる廊下になっている。
二回に行く階段は玄関を入ってすぐのところにある。
三人はその突き当たりから右へ曲がり、一番奥の部屋に入る。
部屋の中央には一つの布団が敷かれていて、その横に血しか拭き取られていない人が居た。
「さて…桐弧ちゃん、その人の包帯を巻いておいてくれ」
「へ? もしかして…血を拭いただけになってます?」
「村の者が嫌がってやらなかったみたいね……」
「はぁ…薄情者だなぁ」
「まぁ、そう溜息吐かないで…お願いできるかい?」
「…わかりました」
佐恵は微笑み、胡珀を連れて台所へ向かう。
今晩はごちそうすると言って、怪我人以外の食事の用意をするそうだ。
怪我人はまだ意識が戻っていないので、食べさせるにも食べさせれない。
桐弧は包帯を準備して、怪我人の上半身を裸にする。
最初のコメントを投稿しよう!