第二話

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 佐恵は立ち上がり、二人を手招きで近くまで呼び、長い廊下を歩く。  長老の家の廊下は玄関からみるとまっすぐ進んだ後、左右に分かれる廊下になっている。  二回に行く階段は玄関を入ってすぐのところにある。  三人はその突き当たりから右へ曲がり、一番奥の部屋に入る。  部屋の中央には一つの布団が敷かれていて、その横に血しか拭き取られていない人が居た。 「さて…桐弧ちゃん、その人の包帯を巻いておいてくれ」 「へ? もしかして…血を拭いただけになってます?」 「村の者が嫌がってやらなかったみたいね……」 「はぁ…薄情者だなぁ」 「まぁ、そう溜息吐かないで…お願いできるかい?」 「…わかりました」  佐恵は微笑み、胡珀を連れて台所へ向かう。  今晩はごちそうすると言って、怪我人以外の食事の用意をするそうだ。  怪我人はまだ意識が戻っていないので、食べさせるにも食べさせれない。  桐弧は包帯を準備して、怪我人の上半身を裸にする。
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