第二話

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「ま、まて……昨日、俺が休みだと言わなかったか?」 「いいえ…昨日はあの後あなたはご飯を食べて、お酒を飲んで、桐弧に襲いかかろうとして荒騎に一発もらって、私に平謝りした後部屋に戻ってイビキしながら安らかに寝てましたけど?」  そういえば襲われそうになったなぁ……などと桐弧は考える。  まぁ、荒騎が先に手を出さなければ鳩尾に肘を入れていたのだろう。 「ま、待ってくれ!? 俺が悪かった……だから、その笑顔で包丁片手に近づくのは……」 「ふぅ~……ちゃんと行ってくださいね? いつもの時間に起きてもあなたが来なくてご飯が冷めちゃいますわ」 「母さん……さっきは何作ってたの?」 「あれはあなた達の分だけ……お父さんのはいつももっと早く作ってあるの」 「というか、桐弧……お前、昨日俺が休みって言ったの知っているだろ?」 「私は聞いたけど、お母さんに言わなかったのはお父さんでしょ?」 「娘が苛める……」  そういって、また部屋の隅に縮こまる。
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