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フレイ・メリーが8歳のある日。
学校の図工の授業中。
学校からほど近い公園で、絵を描く作業になった。
フレイはいつも覗き込んでいる池の前で、絵を描こうと足を止めた。
――その時。
「……おはよう」
いきなり声がしたので、フレイは振り返って声の主を確かめた。
それは自分と同じ年くらいの少年だった。
小柄で、茶色の混じった金髪と、きれいな緑色の瞳をした男の子。
自分で鏡を見て切ったような(でもなぜか似合っているように感じられる)不揃いの髪を、右手でぐしゃっとかき回して微笑んで。
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