第1話 フレイとの出会い

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「絵、君も入れて描いていい?」    いきなりそう言った。  ――こんなヤツ、クラスにはいなかったよね。  一瞬思ったけれど。  彼はフレイと同じ画板と画用紙を持っていた。  今から絵を描こうとしているのだ、とわかった。  フレイはすたすたと近づいて、自分を見つめている少年の目を覗き込んだ。  やっぱりきれい。  それから胸を張って、自分より背の低い少年を見下ろして言った。 「いいけど、うまく描かなきゃ承知しないわよ」  その答えに、少年は嬉しそうに微笑んだ。 「どうもありがとう」
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