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振り向くと涼がいた。
思考停止。
「やっぱり奏衣ちゃんだー!B組のクラス会?」
『あ。うん。そう。クラス会!涼もE組のクラス会?』
「違うよー!今回は地元の友達と。あ。大樹くんもいるよ。」
『あー。そうなんだ!楽しんでね!』
って笑いながら早々に去ろう。腹をくくった筈なのに。逃げ出したい。と強く思う弱虫な私。
「俺らは、もう出る予定だよ!じゃあ、またね!」
そう言って離れたと思うとニコニコして酔っ払いが入れ違いにやってくる。
知宏。
ドクドクドクドク。
嫌な予感がする。
凄く嫌な予感。
いや。でも、釘さしたよね。
大丈夫だよね。
「あー!佐藤!大樹くん、彼女とうまくいってないってよ。お前が好きなこと言っておいてやったからな!」
またもや思考停止。
ねぇ、なんで言っちゃうの?
てか、言わないでね。って言ったよね。
いや。相手は酔っ払い。
怒ったって怒ったって仕方がない…と思うけど…
なにしてくれとんじゃー!!!と怒鳴りつけたい思い。
とりあえず、大樹に会わないように避難しよう。
尚美、真理。どこ?
いた。尚美と真理にこの緊急事態を話す。
『どうしよう。知宏が言っちゃったよ。会いたいけど会えないよ。怖いよ。』
「てか、あの酔っ払い。なんで言っちゃうかな。」
そう、呆れたように言うのは真理。
「かな。大丈夫?」
と心配してくれる尚美。
そんな一部始終を聞いていた啓介が口を開いた。
「カナ、でも元カレに想いを伝えるって言ってたよね。カナ、ここで逃げていいの?
何がしたい?こんなチャンスまた来るとは限らないよ。そのチャンスを逃していいの?逃げるなら逃げ続ければいーけど、また後悔するんじゃないの?」
そんなことわかってるよ。
逃げ続けるって…。でも啓介が言うのはごもっとも。
そうだよ。当たって砕けるって言ってたのに臆病だな。
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