私と大樹

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『わかった。話してくる。砕けてくる。砕けたらちゃんと繋ぎ合わせてよね。』 そういうと、史哉がまず大樹に話しかけに行ってくれていた。 史哉は小学校からの親友。 性別を越えた友達。 小学生の頃、イジメがあってその子を助けたら次の標的になった私が女子トイレで囲まれてる時に「あらー。いじめ?」と女子トイレの外から声をかけて散らばらせてくれた事をキッカケに仲良くなった。 恋愛感情はお互い全くない友達。 ベタベタするわけではないけど、お互い親友だと思ってる。 だから、大樹と付き合った時、1番に史哉の話をした。 それから、史哉と大樹も仲良くなりたまに会えば会話を弾ませていた。 ギュッと尚美と真理に抱きついて力を分けてもらって、大樹と史哉のもとへ向かう。 ヤバイ。気持ち悪い。別れた時だって大樹に会ってない。 どんな顔して会えばいーんだろう。 そんな想いがグルグルモヤモヤしながら一歩一歩、大樹に近づく。 「かな。」 そう、笑う大樹は変わらなくってグッと胸が締め付けられた。 『大樹…。久しぶり』 ちゃんと私は笑えてるだろうか…。 私たちが名前を呼び合ってる間に史哉はこつぜんと姿を消していて、私たち2人だけになってた。 「かな。元気?」 先に話しかけたのは大樹だった。 『うん。元気だよ。大樹は?』 「俺も元気。そういえば、かな写真館に大きな額に入って映ってたけど、いつからモデルになったの?」 そう言って笑った。 『父親が知り合いだから、仕方なく載せてくれたんでしょ。モデルなんて言ったら笑われるよ!』 出てくる憎まれ口にも優しく笑う大樹。 「かな。痩せたな。髪の毛も伸びたし、綺麗だよ。」 なんで、そんなこと言うの。 勘違いしちゃうじゃない。 なんで優しくするの。 そう思っても喜ぶ私の心。 見つめ合う視線。 目が離せない。離したくない。 でも、時間は限られてる。 言わなきゃ…。 『大樹…。彼女出来たんだって? おめでとう。』 「あ。うん。でもやっぱりうまくいかなくてね。」 ちゃんと私は笑えてる?涙なんか見せない。 綺麗な私でいたいから。
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