私と大樹

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『なんかさ、知宏のバカが言っちゃったみたいなんだけど、私ずっと大樹が好きだった。今でも好き。我がまま言っちゃうけどでもやっぱり好きなんだと思う。 でも、彼女がいる大樹にこんな事言うのもおかしいと思うし、略奪したいとかそんなんじゃない。 でも、やっぱり今でも好きって気持ちを伝えたかった。ごめんね。我がまま言って。』 「かな…」 『てか、彼女できるの早すぎてビックリしたけどね!お幸せに。』 「かな。」 『もう!みんな待ってるよ?早く行かなきゃ。』 そう笑う私はちゃんと笑顔でいれてる? お願い。困った顔しないで、大樹笑って。 そんな思いで大樹の背中を押す。 「うん。かな。またな。」 そう言って頭を撫でて去っていく大樹。 なんで、最後に撫でるのよ。 またな。なんて…「また」なんてないくせに。 そう思いながら飛び込む尚美と真理の胸。 でも、なんだか心がスッキリした気がした。 一歩前に進みたい。そう思った成人式の夜だった。
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