私と大樹

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ピロリン 軽快な音でメールを受信する音に気がついて見てみると私に勿体無くて極甘に甘やかすダーリンからのメールだった。 【かな、何してる?次の休みは会えそうかな?学校終わったら会いに行こうかなって思ってる。かなは忙しい?】 〔今は、家でバレー観てたよ!学校は6限まであるから、夕方からしか会えないけど。〕 【いいよ!カナが学校終わるまで駅前ブラブラしてるから。金曜、学校終わったら向かうわ!カナも終わったら連絡して?】 〔了解!〕 付き合って3ヶ月。しかも10代の女の子が送ったとは思えないこの淡白なメールを返信したのは、佐藤 奏衣。 そして、その奏衣に極甘な彼氏は加藤 大樹。 いつも、こんな感じの淡白なメールにも優しく受け入れてくれる彼氏様。 奏衣と大樹は、地元が隣町で共通の友達を通じて出会って、付き合って、別れて。 そして、お互い地元を離れて大学進学してまたまたちょっと離れた地域での進学先だったのに、偶然にも帰省の電車で再会して、友達期間を経てもう一度付き合っちゃった。という経歴。 奏衣も大樹も少し遊んでそうな顔をしているけれど… 奏衣の親の「こんな子でも大事な娘で夢の為に進学したから、手を出さないでね?」って言う言葉を律儀に守る2人で付き合って3ヶ月の今も宿泊してもプラトニックな関係を続けていた稀なカップルだった。
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