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『そうなんだ~!てか、うちらのことより、涼はどうなのよ?』
「いや~、やっぱりさ俺は和美が好きなんだよね。和美に会いたいわ~!」
そう。涼も和美と遠距離恋愛になって別れちゃったのだ。
和美への愛が大きくて重たかった。っていうのは、涼には言えない女だけの話。
涼の話を聞きながら、私の頭の中はグルグル、ゴチャゴチャ。
でも、1つだけ納得いったことがある。
1週間待つって言っていた大樹がなんで「さよなら」と言った意味。
ずっと、1週間待つって言ってたのに、私の答えを聞く前に大樹から別れを切り出したのか。いつもの大樹とは違って、なんだろう?って思ってた。
好きって言ってくれる人できたから、あっさり別れたんだ。
結局それだけの気持ちだったんだ。
そんな、自分勝手な思いがぐるぐるモヤモヤ。
自分が蒔いた種なのに…
そんな思いを持つのが嫌な自分とやっぱりなんで?と思う自分勝手な感情が入り混じる。
その日から、ご飯もあんま食べたくない。
友達と夜通し遊んでもモヤモヤは晴れない。お酒を呑んでも晴れない。
そんな事を麻美に素直に打ち明ける。
「私は、タバコ吸うからムシャクシャした時吸っちゃうかな。煙草は体によくないからオススメはできないけどさ、メンソールなんか吸うとスーッとする。」
『煙草かぁ~…』
そう言いながら、麻美とバイバイしたあとは、このモヤモヤを晴らすため高校の友達と飲みに行く準備を始めた。
いくら飲んでカラオケで沢山歌ったって思い出すのは大樹のこと。
モヤモヤが晴れない…。
そう思ったらタバコの自販機の前に立って1ミリのメンソールの煙草を購入する私がいた。
ライターなんてないから、コンビニでライターを買って、大樹との思い出がつまった部屋へ帰る。
寒い雪の日、電車に乗ってきた大樹のコートをかけたな。とか、大樹リクエストの大きなハンバーグを一緒に食べて、ギュッと大樹の胸に顔を埋めて寝るのが好きだったな。そのあとあんなに大きなハンバーグ食べたのにお腹がぐぅーっとなった大樹に2人で大笑いしたこと。思い出したらポロポロと涙が出てきた。
煙草嫌いな私のために、大樹は絶対私の前で煙草はすわなかった。
そんな私が煙草をすってる。なんてわかったらビックリするんだろうな。
そう思いながら窓から体を出して煙草をすった。
ちょっと苦い、でもメンソールがきいて少しスッキリした気がした。
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