壊された『普通』

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 気が付けば愛流はマフラー男と一緒に数人の銃を持った男に囲まれていた! 「黙って我々に従えば、手荒な真似はしない」  銃を持った男の一人が二人にこう告げる。  だが、マフラー男はこう返す。 「残念だな。見ず知らずの人に従うほど、俺はお利口さんじゃないんで――」  言い終わらないうちに、マフ ラー男が動いた! 「ねッ!!」  マフラー男に殴り倒される正面の男!  そして、マフラー男がこう叫ぶ! 「一気に逃げるぜッ!!」  だが!? 「って、助けてくれたのはありがたいけど、こうなったら逃げられないよー」  愛流は3人ほどの男に銃を突きつけられ、両手を上げていた。  マフラー男が彼女の元を離れた隙に、一気に囲まれたらしい。 「そう言う事だ。お前の強さは解ったが、確かに利口じゃねぇよな?」  マフラー男も四人くらいの男に銃口を突きつけられていた。 「この距離なら、お前が動いた瞬間にその空っぽの頭を打ちぬけるぜ」  まもなくマフラー男もしぶしぶ手を上げた。さすがに銃弾が頭を貫いたら命に関わることは知っているようだ。  程なくいずこへと連行される二人。  愛流はマフラー男に、思わずこう声を掛けた。 「それで、キミ何しに来た訳なの?」 「ああ、ヒーローなら、誰かのピンチの時に現れなきゃ、と思ってな」 「はァ!?」     銃を持った男達に押されながら、愛流は呆れ返るしかなかった。 ―― 普通じゃない。
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