プロローグ

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みんながそこを見る。 「それは…十三地蔵か…?」 十三地蔵。 この羽崎山山頂には十三地蔵と呼ばれる地蔵がある。 その名の通り、横一列に十三体の地蔵が並んでいることから付けられた名前だ。 「見ろ、首が…ない…」 俺たちは持っていた懐中電灯をその十三地蔵へと向けた。 そこに並ぶ十三地蔵。 だが、十三体の内いくつかの地蔵の首がなくなっていた。 「うっ…誰だよこんな悪戯した奴は…」 「不気味…なんだか怖い…」 俺はその首のない地蔵の数を数える。 「全部で五体か…」 誰かの悪戯だとは思うけど、なんで五体だけなんだろうか。 「ま、いいじゃんいいじゃん。雰囲気も出てきた事だし、肝試し始めようぜ」 亮汰は怖いのが好きなのか、女とイチャつきたいのか、ただ単にバカなのか、そんな地蔵を見ても怖がる様子もない。 逆に俺は内心バクンバクンである。
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