5585人が本棚に入れています
本棚に追加
みんながそこを見る。
「それは…十三地蔵か…?」
十三地蔵。
この羽崎山山頂には十三地蔵と呼ばれる地蔵がある。
その名の通り、横一列に十三体の地蔵が並んでいることから付けられた名前だ。
「見ろ、首が…ない…」
俺たちは持っていた懐中電灯をその十三地蔵へと向けた。
そこに並ぶ十三地蔵。
だが、十三体の内いくつかの地蔵の首がなくなっていた。
「うっ…誰だよこんな悪戯した奴は…」
「不気味…なんだか怖い…」
俺はその首のない地蔵の数を数える。
「全部で五体か…」
誰かの悪戯だとは思うけど、なんで五体だけなんだろうか。
「ま、いいじゃんいいじゃん。雰囲気も出てきた事だし、肝試し始めようぜ」
亮汰は怖いのが好きなのか、女とイチャつきたいのか、ただ単にバカなのか、そんな地蔵を見ても怖がる様子もない。
逆に俺は内心バクンバクンである。
最初のコメントを投稿しよう!