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瑠美は恐怖を忘れてはしゃぎ始めた。
こっちはさっきまでの恐怖に押しつぶされてしまいそうだというのに。
「ホントだ!すごい綺麗…」
つられてみんなも同じ方向を見た。
大した標高ではないにしろここは山の上。
そこからは町を見下ろす事が出来た。
夜の町には人々の生活の明かりが灯り、夜の世界を煌びやかに彩っていた。
「へー、すげぇな。夜にこんなとこに来ねぇから、こりゃあまた斬新だよな」
まさかこんな近くにこんなに夜景が綺麗な場所があるとは知らなかった。
しばらくそんな夜景に見とれていた時、一気に現実へと引き戻される。
それは祐太の一言だった。
「わぁああ!」
全員、一斉に祐太の方を向く。
忘れかけていた恐怖が一気に俺たちを襲った。
祐太は青ざめた顔をして、その足下にライトを照らす。
「な、なんだよ祐太!」
「…おいほら、見てみろよこれ」
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