プロローグ

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二人ともうまい! ペアをジャンケンで決めさせない辺りに手慣れた感がある。 「祐介君…」 「は…はひ!」 「一緒に…行ってくれる?」 キタ! キタキタキタキターーー!! 俺の時代がやってきたーー!! 「もちろんだよ」 うまくいきすぎて、さっきまでの恐怖は再び俺の中からはかき消えた。 21:00 ついに真冬の肝試しが始まった。 ペアは例の三組。 最初に行くのは祐太と瑠美のペア。 コースはこの山を少し下った所にある横道、そこから山を一周してここに戻ってくるというものだ。 俺と玲奈のペアは一番最後だ。 「祐介君…手、繋いでていい?」 「あ、うん。いいよ。俺もそうしたかった…」 「ん?」 「あぁ!なんでもないよ!気にしないで!」 俺たちの手がゆっくりと繋がれる。まだ始まってもないのに手を繋げるなんて、なんだか幸せな気分だ。
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