プロローグ

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約十五分後、一組目の祐太と瑠美が帰ってきた。 なんだか二人とも楽しそうだ。 「こえ~」 「怖かったよ~」 「じゃあ次お前らの番だぞ?」 「じゃあ海理ちゃん行こうか。ちょ~楽しみだね」 「そ」 そして二番手の二人がスタートする。 次が俺たちの番だと思うと緊張してしまう。 「祐介君、あの…絶対手を離さないでね」 「離さないよ。大丈夫、俺に任せといて」 完全な強がりである。 それからまたさらに十五分程たった後、二人が帰ってきた。 「おかえりー二人とも!」 「全然余裕だったよ。幽霊なんてどこにもいなかったし」 亮汰は相変わらずの様子だ。 「ほら、祐介、次はお前らの番だ」 「よ、よーし!じゃあ行こうか!」 「う、うん…」 四人に見送られながら山道を下る。 すぐに見えてきた古ぼけた木の看板。 右、栖張滝 この羽崎山の南側には小さな滝がある。
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