第六話-継承と魔界放浪記-

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膨大な魔力同士がぶつかり合い、テーブルがミシミシと音を立てる。 二人の強力な魔力に耐えきれないのだろう。 そんな中、ロアは食事を止めて顔を上げる。 そして言った。 「これがラクトじゃ」 そう言った瞬間、魔王の魔力がフッと消える。 そして食堂に響く笑い声。 「く、くくっ……ははははははっ!」 急に腹を抱えて笑い出した魔王に、ラクトは目を丸くする。 今、何が起こっているのか理解出来ない。 先程まで自分に対して殺気を放っていた魔王が、今は涙を目に溜めながら笑っている。 「な、何が可笑しい!」 頭にクエスチョンマークが浮かんでいるが、理解出来ない故に怒りが先行する。 そんなラクトに、魔王は綺麗な笑顔を向けて言った。 「合格だ」 「は?」 「良いだろう、力を貸してやる」 「いや、だから、え?」 「なんだ、必要ないのか?」 「そうじゃなくて!」 全く意味がわからないラクトは、助けを求めるようにロアに目を向けた。 その視線を受け、一度息を大きく吸ってから吐き出す。
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