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風子はクイッとメガネを上げてこちらを向いた。
「雨が降っているからな。我の家には屋根がない。どうしてくれる?」
いや……そんな他人の住宅事情なんか知らんよ。
それにしてもリーゼントにメガネなんていい度胸してやがる。
「オレに言うな! お前んちの親父に言え!」
あ、そういやコイツんちの親父ってうちの親父だった。
読者の皆さん、なんでですか!?
風子はいつもみたいに普通に自分ちにいるときみたく寝転がって超くつろぎ出した。
こいつの神経は多分接触不良かなんか起こしてるんだと思う。
「猫! ポテチとコーラはまだか?」
まだかぢゃねぇよ。
「猫って呼ぶな。もうお前帰れよー! ここオレんちだぞ」
言ってわかる奴じゃないのは重々理解してるつもりだ。
「今夜はオムライスにするとよいだろう。なぜなら我が食いたいからだ」
うん、やっぱりスルーされた。
どんだけワガママなんだコイツ。
「お前なぁ……。幼なじみだからって図々し過ぎじゃね?」
「ほぅ、気になるか?」
当たり前じゃボケー。
「そうやって人は成長していく。肝に命じよ」
お前のワガママのどこに成長するきっかけがあるんだよ。
むしろお前が成長しろ。
「……雨がやんだら帰れよ?」
「無論拒否だ」
誰かこの暴走リーゼント(メガネ)をなんとかしてくれ。
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