幕末スーパー忍術バトルうまい棒 ー待て、オレが何をした!?ー

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「てめぇだけはゆるさねぇ!」 オレは風子に向かってダッシュし、クロスチョップを繰り出した。 風子が4つに分断される。 えっ……? いや、ちょっと懲らしめようと思っただけなんだけど。 まさか殺し「愚か者めが!!」 風子の声は後ろから聞こえた。 「まさか、残像!?」 オレは声のするほうに振り返った。 「残像ではない。【ひらり舞い落ちた真冬の恋】だ」 知らねぇよ!! なにロマンチックな名前使ってんだ。 「要は残像なんだろ」 残像にしてもこいつ異常だよ。 なんでそんな技が使えるんだ、農民の娘のくせに。 「汝……我を愚弄する気か?」 いやいやいやいや。 どの辺でバカにされたと思ってんだ? むしろビビったよ、幼なじみの驚異の戦闘能力に。 「風子、一つ聞いていいか?」 「断る」 拒否られた。 なに聞くかも言ってないのに。 「今度はこちらから行くぞ」 風子が何か溜めだした。 空気がなんかやべー。 普通に残像とか使える奴が本気出したらオレ終了確定じゃね? 「コォオォオ……」 気合い溜めの声も普通じゃねぇ。 「いや、待て待て。そんなん食らったらオレ死ぬぜ?」 「そうであろうな」 容赦ねー。 たかがオレんち泊まる為にオレ殺すか? そんなんで人生終了とかマジあり得ん。 「諦めてたまるかー!!」 オレはテーブルの上にあったみかんを投げつけた。 こんなもん効くわけねぇが…… 「ゴフッ!」 効いたーーーーーー!!? 風子は前のめりに倒れ込んだ。 手を前の方に伸ばしてなんか死にかけの仲間が『オレはもうダメだ。お前だけでも先に行け』っていいそうな状態だ。 「わ……我はここまでだ……汝だけでも」 言ったーーーーーー!!! お前仲間なのかよ!? てかみかん一個で大袈裟だよ! 防御力0なのか!? 「うん……。じゃ帰って」 オレはあくまで冷静に対処した。 「お邪魔しましたー」 あの直後、風子は普通に立ち上がって普通に帰っていった。 雨はさっきよりすごくなっていて外に出た瞬間『無数の弾丸がー!?』とか言う風子の声が聞こえたが、聞こえなかったフリをしてオレは玄関の鍵を閉めた。
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