幕末スーパー忍術バトルうまい棒 ー待て、オレが何をした!?ー

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新しい朝が来た。 まぁ希望の朝じゃないが。 うむ、今日も今日とて豪快に雨が降り注ぎ…… キュインキュインキュイン こんな朝早くに客だと!? うちのチャイムはなぜ押すたびに音が変わるのか……オレが知るわけなかろう。 応対に向かったら忍者みたいな奴だった。 なんか片膝ついてた。 「拙者、麺毒斎殿に仕えるシノビでござる」 忍者ならチャイムとかやめれ、と問い詰めたかったがその前に…… 「は? うちのオヤジのシノビ?」 そう、麺毒斎(メンドクサイ)というのはうちのオヤジの名前である。 今どこにいるか知らん。 なにしてるかも知らん。 ていうか名前以外何も知らん。 「主君の命により御子息である猫之助殿に某が忍術の指導……。それだけじゃないですよ? さらにさらになんと今回はこのプリンターも無料でご奉仕させていただきます! さぁ、今すぐお電話を」 「待てお前」 「はっ」 「……ジャパンネット?」 忍者はしまった、という表情で慌てて言い出す。 「面目ない! 拙者、シノビの収入だけでは生活が苦しく兼業でジャパンネットのコマーシャルに出演して候」 シノビが顔割れちゃいかんだろ、兼業として一番最悪なの選びやがって。 ちなみにジャパンネットというのはめっちゃニッコニコしたオッサンがいろいろな商品を勧める通販番組……と見せかけて実は人々がモンゴルに行きたくなるように電波を使ってマインドコントロールしている意味不明な会社である。 「まぁジャパンネットはいいや、でもなんでオレに忍術を? その前にオヤジはどこでなにしてんの?」 「マンドクセ……じゃなかった、メンドクサイ殿は六本木のバーで飲み歩いておいでです」 「あ、今この時間とかじゃなくてこの10年間のこと」 「ですから10年間六本木で飲み歩いておいでですが?」 「……ずっと?」 「はい、1日も欠かさず」 …………。 天下無双の大バカ者がいた。 しかもオレのオヤジだった。 てかどこにそんな金が!? オレなんか晩飯ちくわ数本が基本だぞ? 忍術習ったらとりあえずオヤジをシバきに行かねばなるまい。
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