1章<忘れらるる記憶>

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ルプス「仕方がない。いつまでもこいつに居るわけにもいかんしな・・・。試したいことがある。」 レナス「なんだ?」 ルプス「お主の中に宿る。上手くいけば・・・。まぁ、やってみるのが早いだろう。」 というのが早いか、フォルトゥナの雰囲気が変わった。 レナス「ちょっとまて、俺はまだいいとは一言も・・・!」 ルプス「ふむ、やはりな。上手くいったぞ、小僧。」 急に体が熱くなって、何かが現れた。 青白い炎に包まれて、 堅固な鎧に身を包んだ、白い狼。 その姿は朗々として力強く、“王者”という言葉が相応しい様に思われた。 ルプス「これが我の本来の姿だ。我は力あるもの、そしてそれは、更に力ある者によって体現された時、本来の形となる。」 レナス「あぁ?」 ルプス「お主の力によって、我は体現された、ということだ。好きな時に呼べ。我はお主の剣となり盾となり、お主の敵を滅す。」 と言うとルプスは静かに消えた。 レナス「俺は・・・何者なんだ・・・?どうして、そんな力がある・・・。」 「だ・・・いじょー・・・ぶ?」 足元から、たどたどしい声が聞こえた。 声のする方には、フォルトゥナがいる。
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