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適当な木と、黴た布、それに古びた油で作った手製のたいまつに火を付ける。
暗い廊下が、静かな暖かさに照らされて、その姿を、わずかにあらわす。
冷たく、静かな、石で造られた廊下。
ところどころに、設置されたたいまつがあるらしく、俺はそれに火を灯しながら、歩いて行った。
しばらく進むと、何か異様な空気が漂っている。
これは・・・
いわゆる、“腐臭”って奴だ。
フォルトゥナ「くしゅっ」
レナス「フォルトゥナ・・・気をつけろ。何か居るみたいだぞ。」
ところどころ、床に啄ばまれた死体が転がっている。
盗賊・・・なのか?
石碑が閉じていたことから、おそらく城に入ってから、“何か”に追い立てられ、ここに逃げ込んだ、と言ったところか・・・。
とすると犯人は・・・。
ずしっ・・・と音がする。
空気が重たくなる。
このプレッシャーは尋常じゃない・・・。
フォルトゥナは、毛を逆立てて“何か”を威嚇している。
「ふしゅっ・・・ふしゅっ・・・」
暗闇の奥から、息を荒げながら、照らし出されたのは、
天井いっぱいまで、育ったでかい鼠だった。
レナス「おいおい・・・そりゃ育ちすぎだろうよ・・・。」
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