プロローグ

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かつて、世界には、6つの大国があった。 人の住む国~テラ~ 獣の住む国~リオン~ 魔人の住む国~シャイタン~ 妖精の住む国~ラウレンティア~ 精霊の住む国~ユグドラシル~ 龍の住む国~エデン~ それぞれの国は時としていがみ合って争い、時として共闘して争いを鎮めた。 長い年月、歴史は繰り返し、争いが止むことはなかった。 “それ”は、突如として現れた。 暗雲を巻き込んで、空に現れた“それ”は、様々な災厄を振りまき、多くの犠牲を出した。 地は枯れ、海は裂け、空が墜ちるかのような、苛烈な災厄を目の当たりにし、史上、初めて6つの大国が、ここに共闘した。 魔人の持ち得る“技術”を、人が駆使し、 人の作った“機兵”を、獣が操り、 妖精の“魔術”で、獣を助け、 精霊の“武器”を、魔人が使い、 獣の“力”を、龍が強化した。 闘いは熾烈を極め、その傷は、各地に爪跡を残した。 一進一退の攻防は、幾月も続き、6つの大国も次第に疲弊していった。 そして、ある時、龍の国がこう言った。 「我ら龍族が犠牲になりて、この災厄を封じてみせよう」 そしてそれに同調するかのように、精霊の国がこう言った。 「ならば我ら精霊族の地が、永劫封印の地となりて、我らはその番人をしよう」 無論、残りの4つの国は、それに賛同しなかった。 最早、長い年月、共闘した彼らにとって、種族という壁は消えていた。 同胞も同然の龍族、精霊族を犠牲にするなど、と言って。 それでも、龍も、精霊も引かなかった。 「誰かが犠牲にならなければ、あの災厄を鎮めることはできない。そして、貴殿らには我らより、この傷を負った荒れ果てた地で、国を治める力がある。それならば、我らが災厄を鎮め、貴殿らが、国を治めるほかないのだ。」 かくして、災厄は鎮められ、この世界の地図から、2つの国が消え、その内の一つが封印の地となった。 それこそが、かの『原初の災厄』なのである。 テラ国国立禁断史実図書館 『テラ口伝集』 第三章“伝説” 8編
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