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いつの間にかカツオとワカメの周りには人だかりが形成されていた。
「そっちこそ偉そうに、ハイハイそりゃ中学校の優秀な数学教師さんには勝てませんよ~だ!」
ワカメはカツオの言葉に表情を強張らせた!
「何それ今の、馬鹿にしてるの?自分が全然努力しないのを棚に上げてッ、お兄ちゃんにそんな風に言われる筋合いはないよ!」
「言ったな…!」
カツオがワカメを睨み返した。
「えぇ何回でも言ってあげるよッ、この際だから言わせてもらうけどお兄ちゃんて昔からそうじゃない、出来もしない大風呂敷だけドバッと広げちゃってさ、結局自分の種になった事一つでもあった?」
「お前言わせておけばぁ、僕だって出来が悪いなりにそれなりの努力はしてんだぞッ!」
「努力?お兄ちゃんが?ハハハ!野球とイタズラ上手くなる事以外に努力してる所なんて私今まで見た事ないよッ!」
ワカメはカツオを更に睨み返した。
「………」
「何よ言い返せないの?そうよね、言い返せる訳ないよね?いつまで経っても言い訳だらけでいい加減でのらりくらり…そんなだから…」
「そんなだから何だよチキショッ!」
「そんな中途半端なお兄ちゃんだからいつまで経っても浮絵さんが告白出来ないんじゃないのよッ!」
「!………?」
水を打ったような静寂が辺りを支配した…
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