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ゆっくりと一人の男が歩み寄ってくる。
「よっ! グリード! お久しぶり!」
「うるさい。ジャーニー」
男はベネッサの目の前で止まりベネッサと向き合う。かなり陽気な雰囲気を醸し出している。男の名前は滝沢靖輝(タキザワヤステル)
某子供向け番組のキャラクターのジャーニーが好きすぎてグッズを買いあさったあげくについたあだ名だ。
上がたきざわ、下がやすてる、と何か言いにくいので覚えやすく呼びやすいジャーニーになった。
「ベネちゃん! 久しぶり! 相変わらずキューチクルだねぇ! 髪型変えたの!?」
何故、キューティクルをキューチクルと言うのかは定かでないが、ベネッサは適当に受け流す。
「そうなの! どう? いいかんじ!?」
(始まった……)
「うん! 似合いすぎだぜ! やっぱりベネちゃんはショートヘアーが一番!」
ここでグレイガンが軽く咳払いをする。
ベネッサとジャーニーーは気づいたのか背筋を伸ばして立つ。そして、ゆっくりとグレイガンが口を開いた。
「グリード……。今回もお前がリーダーをつとめてくれ。ベネッサとジャーニーはグリードの言うことをしっかりと聞くように。バグリシスを発見したらなるべく捕縛して連れ帰ってくれ。三人という少ない人数での行動だ……。手におえないと感じたらすぐに退け。いいな?」
「ああ……。わかってる。では……」
グリード達は部屋をあとにした。
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