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「うう・・・、五月蝿いぞ・・・、お前ら・・・・」
もぞもぞと男が頭を上げる。
無精髭を生やし、男にしては長めの髪を後ろでひとくくりにしたその男は、
陸也たちを寝ぼけ眼で睨み付けた。
「朔太郎さんっ、よく平気で寝れますねっ ! こんな、異常ですよ。
暑すぎますよ、ここ・・・」
がばっと朔太郎は起き上がると、
「平気なワケあるか ! でもな、それ以上に眠いんだよ、俺は !」
一気にがなり立てると、朔太郎はばたっとまた寝転がった。
窓は全開。しかし、風は少しも入って来ない。
七月も中頃の梅雨明け宣言もまだの、この時期は兎にも角にも蒸し暑い。
不幸だ。
文明の利器が本気で恋しいと陸遜は嘆いた。
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