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「何故このような我らを苦しめた一族を守るのか!!」
いつもからでは想像出来ないぐらいに怒っていた。
「お待ち下さい!!どうか話だけでも聞いて下さい!!」
百姓は平伏をしながらお願いをした。
歳三も話を聞かずに殺すのは新撰組の威信に関わると思い聞く体勢にした。
「では…」
「よい。私から言おう。」
百姓が言おうとすると義康という青年が止めた。そして深く息を吸い込み話し始めた。
「これは只の言い訳かもしれなません。
私は父の悪政を何度も何度も止めるように進言しました。すると父は邪魔に感じたのでしょう。
そして、父は私をこの上山城に幽閉したのです。
その後に貴殿方新撰組が我が父を倒したと言うのを城兵が話しているのを聞き牢獄から脱走したのです。
私はこういう事が有るかもしれないと思い1年間かけ穴を掘っていたのです。
そして脱走した後、せめて百姓達にお詫びをしたいと思い謝りに行くと案の定誰も話を聞いてくれません。
しかし私は諦めず、何度は訪ねて行くと皆さんが徐々に心を開いてくれました。
そして、今回の上山城を攻めに来ると聞き戦える者達で志願兵として行くと上山城主の者が北条に降ろうとして居たのを見てその者を追い出し城兵、百姓一同で守って居ました。
何故か知りませんが皆代役の城主を私にやって欲しいと言うためにやっていたのです。」
義康は一気に話をした。
歳三はこの青年を逸材だと思った。
何故ならまだ、色々とあったが半年ぐらいしか経っていないにも関わらず民心を捉えたのだそう出来る者ではない。
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