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景虎の心の広さが行くとよくわかった。
景虎は上杉定実にかなり大きな屋敷を与えたのだ。さらに護衛兵として2000の兵を渡していた。
確かにこれなら関東官領として恥ずかしくないはずだ。
応接間に行くと上杉定実はもういた。どうやら言いたい事は予想がついているらしい。
「定実様、今回訪れた訳は景虎殿に関東官領の地位を譲渡して欲しい訳です。」
歳三は少し顔を上げ定実の様子を見ると肩の荷が下りて嬉しいようだ。
「私も潮時だと思う。関東官領という身は私の器にはでか過ぎたようだ。さらに先祖代々受け継がれてきた上杉の名も与えたいと思う。」
上杉の名も与えると聞いた時歳三は定実の配慮かと思った。
長尾家はいい家柄とは言い難いからだ。
こうして、定実と景虎は養子縁組みをした。
その5日後全てをやり遂げたかのように上杉定実は生涯に幕を閉じた。
景虎は定実の為に出家をし名を改めて上杉謙信となった。
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