最後の日

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だが今はそのような事を考えている場合ではない。一刻を争うかも知れない自体だ。少しでも知識を入れなくては。 「おい! 若月(ワカツキ)! その話詳しく聞かせてくれ」 足早に若月という、さっきの女子の元へ近付いた。 「詳しく聞かせてくれ」 改めて言う。若月は何が解らないかのような顔をしている。 「今の話だ。詳しく聞かせてくれないか?」 今一度問うと、隣にいた女子、上田(ウエダ)が、若月に耳打ちをする。何を耳打ちしたかは解らないが、状況を理解出来るような事を言ったのだろう、若月は頷き、話し出した。 「実はさぁ~あたしん家今日起きたら誰もいなかったんだよねぇ~。あたしは今日七時に起きたんだけどさぁ、そん時からいなくてぇ。 靴はあったから、おかしいと思って家中捜したんだけどさぁ、結局見つからなくて・・・」 「そうか・・・」 最後の方が何だか声が小さかった。何だかんだ言っても、やはり心配はしているようだ。 「じゃあお前は今日一回も家族を見てないんだな?」 再確認をする。俺の誤認があっては何かあった時には遅いからな。 「いや・・・夜中の十二時頃に、一回皆の顔を見たからぁ・・・」
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