25人が本棚に入れています
本棚に追加
「どこか暖まる事が出来る場所はないだろうか・・・」
何かヒントはないかと思い、教室中を見回しながら呟いた。そして、俺の丁度右横にそれを発見する。
「そうだ・・・!」
俺の右横に有るのはストーブだ。学校のストーブは、適温な温度を超えると自動で止まる。燃料もかなり大量にあるだろう。
そう、俺の思いついた事は、『学校に寝泊まりをする』だ。
「寝泊まりすれば良いよな」
「う・・・・ん」
若月は何やらまだ不安げな表情だ。まだ何か問題があるのだろうか?
「どうしたんだ?」
「あのさ・・・寝泊まりも確かに良い案だと思うよ。でもさぁ・・そうすると本来の目的とは違ってこない?」
「あ」
・・・確かにそうだ。本来の目的とは大分掛け離れる。それに、学校に寝泊まりしたからと言って、まだ完全なる安全が確保された訳ではない。
「そうだよなぁ・・・」
溜め息を吐いた、丁度その時。少し遅い気もするが、漸く上田の校内放送が流れ出した。
『全校の皆さんにお知らせ致します。今日中に、頭痛及び極度の怠さの症状の出た生徒並びに教職員の皆さんは、大至急三の一二宮までご報告下さい。尚、今日は帰宅はせず、外でお過ごしになるようお伝えします。繰り返します。今日中に・・・』
最初のコメントを投稿しよう!