最後の日

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「どこか暖まる事が出来る場所はないだろうか・・・」 何かヒントはないかと思い、教室中を見回しながら呟いた。そして、俺の丁度右横にそれを発見する。 「そうだ・・・!」 俺の右横に有るのはストーブだ。学校のストーブは、適温な温度を超えると自動で止まる。燃料もかなり大量にあるだろう。 そう、俺の思いついた事は、『学校に寝泊まりをする』だ。 「寝泊まりすれば良いよな」 「う・・・・ん」 若月は何やらまだ不安げな表情だ。まだ何か問題があるのだろうか? 「どうしたんだ?」 「あのさ・・・寝泊まりも確かに良い案だと思うよ。でもさぁ・・そうすると本来の目的とは違ってこない?」 「あ」 ・・・確かにそうだ。本来の目的とは大分掛け離れる。それに、学校に寝泊まりしたからと言って、まだ完全なる安全が確保された訳ではない。 「そうだよなぁ・・・」 溜め息を吐いた、丁度その時。少し遅い気もするが、漸く上田の校内放送が流れ出した。 『全校の皆さんにお知らせ致します。今日中に、頭痛及び極度の怠さの症状の出た生徒並びに教職員の皆さんは、大至急三の一二宮までご報告下さい。尚、今日は帰宅はせず、外でお過ごしになるようお伝えします。繰り返します。今日中に・・・』
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