最後の日

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キョトンとしている。 それもそうだ。真面目な顔で、且つ実際に有り得そうな話をして、散々怖がらせ、しかもそれを全校に流した後に『嘘だ』と言われたら、間違いなく、誰でも一瞬は若月のような表情をするだろう。 俺が"ネタバレ"をして、暫しの間を置いて若月は言葉を発した。 「ちょっと、忘れてってどういう事!?」 キョトンとしたと思えば、今度は顔を赤くして怒鳴った。 半ば質問形式での反応だったが、それを無視し俺は開き直る。 「お、何だ? さっき思いっ切りビビってたのはどこのどいつだよ? それともあれか? このままずっと俺とお喋りしていたかったのかな?」 「ぐぐぐ・・・」 若月は言われたら言い返し難【にく】い性格なようだ。 ・・・と思ったが彼女は何か言い返してきていた。 「こっ、これだから二宮は! 頭は悪いクセにこんな事ばかり考えついて・・・!」 ・・・反論ではなく、ただの俺に対する間然【かんぜん】だ。まだ言っている。 だがこの先誤解を生み、俺が一生恥ずいような状態で学校に来なければならなくなるという事を考えれば、これくらい安いものだ。 「んま、とにかく忘れてくれ。それで良いだろ? お前の親だってきっと急用か何かで出掛けてるだろうさ」
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