最後の日

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「お前だって本当は解ってるんだろ? 勇助の気持ちはさ。 それに、勘の鋭いお前がそんな簡単に"勘違い"で済ませるとは、俺には思えないけどな」 藤田は横で俺に語り掛ける。 ・・・俺だって解ってはいるさ。 勇助だって本来は俺とは同じ気持ちなはずだ。俺が何かの異変を感じているように、勇助だって何かの異変を感じている。・・・と思う。でなければあそこまで真剣にはならないしな。 もしこの世界に何か深刻な問題が起きているとすれば、出来る事が有るならばしたい。 でもまだ躊躇【ためら】いがある。 もし合ってたとしたら、やがてそれは日本全国に伝わり、全国はパニックを起こす。 ハズレの場合は俺がみんなから一生変な目で見られる。 言わなかった場合も同様だ。 何しろ人が消えるのだから。 ・・・進むも地獄戻るも地獄か。 「・・・はぁ、何か世界の運命を俺一人に委ねられた気分だよ。 放送はみんな冗談だって思ったのか、誰も俺んとこに来なかったから良かったけど・・・」 「そうだなぁ・・・ん?」 藤田は何か気がついたようだ。 「どうした?」 俺が尋ねると、藤田は有る一つの『作戦』を言う。 「賭けに出るか」 「・・・賭け?」 「そう」 その作戦とは、『賭け』なのだ。藤田はこういう事になると頭が冴えるらしい。ここは一つ彼の話も聞いておこう。
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