最後の日

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「へっ、嬉しい事言ってくれるじゃあねぇか!」 俺も笑顔を作り裕也に向けた。 しかし、その瞬間から藤田の顔からは明るさは消え、代わりに暗いものへと変わった。そして言う。 「でも、やっぱそうも言ってはらんないけどな」 空気を読め! ・・・と、思う。 「そうだったな、まずはさっきの話の続きだ」 せっかくの雰囲気を自らぶち壊した藤田は歩きながらそうだなと頷き、話し始める。・・・それより、自分から作ったものは自分で壊すのか、こいつは? ・・・悪い意味で後始末が得意な野郎だ。 「・・・よし。では、まずは第一に誰が記録するかだな」 「うむぅ・・・俺がやってやりたいところだが、残念なことに俺は生まれてこのかた、一度もデジカメとかビデオカメラを触ったことが無い」 何だか自分で言ってて嫌な気持ちになってくる。こんなとこでは役に立てないとは・・・。 俺が横で肩を落としたにも関わらず、藤田はまるで予想していたかのようにニッコリとしながら・・・。 「言うかと思ってたよ。 分かった、俺に任せろ」 と言った。 まぁ確かにどちらかがやっても余り変わりが無いから、良いんだけど。せいぜい掛かるとしたら、時間と・・・・・・! 「まさか・・・お前・・・!」 俺は気がついてしまった。こいつの言う『賭け』に。
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