最後の日

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「行ってくる・・・」 一言挨拶をして、家を出た。 我が家はアパートの101号室で、玄関を出て左にある四段程の階段を降りればすぐ外だ。 「くぅぅッ・・・」 未だに痛む頭を抑え、アパートを出るため、スライド式のドアを開けた。そして一歩踏み出したその刹那、全身の力が抜け、一瞬痛みが最高潮へと達する。 「っぅぅ!!!」 冬間近の秋の冷える地面に手を着いた。ひんやりとした地面の温度が手を伝わり、全身へと伝わる。 頭の痛みは、不思議な事に、地面に手を着いた時には綺麗さっぱり消えてしまっていた。 「うぅ・・・今日は体調が悪いのか・・・?」 一人呟き、手に付いた砂利を払った。不幸中の幸い、外にはまだ誰もいない。誰かに見られてそれを噂にされる・・・といった事は避けられそうだ。 「はぁ・・・」 俯いて溜め息を吐いた。今日は朝からこれだ。いいことなど有りやしない。溜め息が出て当然だろう。しかし、嫌なことと同時にいいことでもある。 これを友達との話しのネタにしたらきっと面白いだろう。 「さて・・・と」 指定鞄を背負い直して、学校へと歩いた。
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