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「あー・・・一体何なんだ? 良くわかんないって風に言ったと思ったら目に見えたって」
「ごめん・・・。自分でも何を言ってるか・・・」
言って、梅村は俯き気味に頭を抱えた。それにしてもこの女は一体誰と逢ったってんだ?
そもそもここにこの校の生徒以外がいるって事が有り得ないしな・・・(それ以前に梅村が見たのは人間でない可能性が高い)。
「そういえばこれから二宮君はどうするの?
ずっとここに居るわけにもいかないし・・・」
「えっ!?」
考え事をして自分の世界に浸っている最中【さなか】、梅村が言ってきた。不意だったので、思わず驚いて情けない声を上げてしまう。聞いてはいたのだが・・・。
「あ、あぁ、そういゃあ今回の事が事実かどうかを藤田が検証してくれたから、結果を確認しに藤田ん家に行かなきゃならないんだった」
それのお供探しの為に学校に来たんだった。予期せぬ出来事の連続ですっかり忘れていたようだ。
この事は梅村には言って無かったはず。
しかし、彼女は推測出来たようだ。
「つまり・・・ここに一回来たって事は一緒に行けるお供を探しに来た・・・って事だよね?」
と言う。
彼女も勘が鋭いのだろうか?
いやはや、まだまだ解らない事だらけだ。
「んまぁ、そういう事だ。しかしながら、梅村、お前はここに待機するよう言われていたんだろ?」
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